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アスピリンと柳

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柳の効能の発見

1757年 エドモンド・ストーン牧師は熱病(体温が異常に高くなる病気)を治すものを探しセイヨウシロヤナギの樹皮をかんだところ苦みが当時マラリアの治療薬としてや解熱剤として使われていたキナノキの味に似ていることに気づきました。セイヨウシロヤナギの樹皮を削って煎じ熱のある人に飲ませてみると確かに熱が下がったのです。
ギリシャでは1世紀には体が痛むときには柳の葉を胡椒と一緒にひいてワインで飲むといいとされていました。
 

 爪楊枝と柳

爪楊枝の楊という字は柳と同じ樹木を意味しています。

歯の間に詰まった食べかすを取り除くという役割のほかに、歯痛の予防や治療などの役割があったのかもしれません。現在の爪楊枝は竹や樺材を材料としているものが多いようです。

 

柳の樹皮から単離

1830年 ドイツやフランスの化学者によって柳の樹皮から解熱物質を取り出しサリチンと名づけられました。

セイヨウシロヤナギの学名サリックス・アルバに由来しています。

サリチンは化学的にはサリチル酸に糖とアルコールが結合した構造です。

同じころにスイスの研究グループはシモツケソウ属のセイヨウナツユキソウ(学名スピラエア・ウルマリア)の葉からサリチンと同じ物質を取り出し学名にちなんでスピール酸と名づけました。

1860年 ドイツのマールブルグ大学のヘルマン・コルベがサリチル酸をフェノールと二酸化炭素から人工合成することに成功しました。これにより合成サリチル酸の値段は10分の1になりました。

外用薬として

サリチル酸に事態は強い酸性で腐食性が強いので、皮膚の角質溶解作用を利用してイボや魚の目やタコを取り除くための外用薬として使われました。
18世紀よりも以前から柳の樹皮を焼いて作った灰を酢と混ぜて外用薬として使い、皮膚にできたイボや魚の目やタコをとっていたようです。この用法が現代でも使われているのはすごいですね。
 
 

解熱薬として

1870年代 サリチル酸のナトリウム塩(サリチル酸ナトリウム)がリウマチ熱に使われました。しかし、問題点は胃を悪くすることでした。とても継続して飲むことはできませんでした。
 
※リウマチ熱…A型溶血性連鎖球菌の感染により起こり発熱、関節痛、心筋炎などを生じ、後遺症に心臓弁膜症を残すことが多い。
 
1853年 ドイツのバイエルという化学会社はサリチル酸の誘導体のひとつとして酢酸基(アセチル基)を結合させたアセチルサリチル酸を合成していました。しかしこれはなぜか日の目をみませんでした。
 
1898年 バイエル社に入社したフェリックス・ホフマンという若い科学者が、父親のリウマチの持病がありサリチル酸ナトリウム を飲んでいましたが吐き気と胃の痛みに苦しみ薬を飲むことを中断していました。社内の棚に眠っていたアセチルサリチル酸の容器をみつけこれを父親に飲ませたところ胃を荒らさずによく効きました。
 
1899年 アセチルサリチル酸にアスピリンという商品名をつけて販売しました。世界の市場に出回りました。アスピリンのアは酢酸基のアセチルから、スピルはセイヨウナツユキソウから見つけられたスピール酸から、最後は化合物の接尾語としてインをつけました。現在アスピリンは商品名ですが国語辞典や英和辞典に一般名詞として載っています。

プロスタグランジン

1971年 イギリスのジョン・ヴェインらお中心とする研究グループはアスピリンがプロスタグランジンという物質の生成を抑えることを発見しました。

プロスタグランジンの研究は1930年にクルズロックとリーブというアメリカの産科医が、ヒトの精液に子宮を収縮させる作用があることを見つけました。

 
 1935年 スウェーデンのフォン・オイラーはこの子宮を収縮させる物質が前立腺で作られることを明らかにしプロスタグランジンと命名しました。

アスピリンの解熱鎮痛作用のメカニズム

プロスタグランジンの原料は体の細胞膜にあるアラキドン酸という脂肪酸です。細胞膜にはリン脂質が大量に含まれていてアラキドン酸はリン脂質に結合しています。ホスホリパーゼA2という酵素が働いてリン脂質からアラキドン酸が切り出されます。次にシクロオキシゲナーゼという酵素がアラキドン酸に働いてプロスタグランジンが合成されるのです。プロスタグランジンにはたくさんの種類がありそれぞれに色々な作用がありますが大きくは炎症時の痛みや発熱晴れ、発赤に関係します。
 
(リポキシゲゲナーゼという酵素はアラキドン酸からロイコトリエンという物質を合成します。ロイコトリエンの特徴は気管支平滑筋を強く収縮させる働きがあります。気管支喘息にはこのロイコトリエンが関わり軌道を狭窄して呼吸が苦しくなります。)
 
ヴェインらはアスピリンがシクロオキシゲナーゼを阻害することによりプロスタグランジンを作れなくし発熱やいたみ、組織の腫れや発赤を抑える抗炎症作用を発揮することをみつけました。
 
(副腎皮質ホルモンの糖質コルチコイドの抗炎症作用はリン脂質からアラキドン酸を切り出すホスホリパーゼA2を阻害することでおこります。この場合はプロスタグランジンだけでなくロイコトリエンもつくれなくなります。副腎皮質ホルモンは炎症と気管支収縮を同時に抑えますので喘息に優れた効果を発揮します。)
 
これ以降アスピリンと同じ作用を発揮する非ステロイド性抗炎症薬がアスピリンの化学構造を基本として数多く開発されます。
 
1982年にノーベル賞がベルグストレーム、サムエルソン、ヴェインにプロスタグランジンとアスピリンに関する研究成果の結果に与えられています。

アスピリンの抗血栓作用

アスピリンは血小板を凝集させるトロンボキサンA2の生成を止めます。それにより血液を固まりにくくする抗血栓作用があるのです。副作用につながることもありますが心筋梗塞や脳血栓など血管内に血液の塊ができている場合には好ましい作用となります。
 
1960~70年代 アメリカで心筋梗塞の治療薬として承認されました。
 
2000年 日本で狭心症や心筋梗塞の治療薬として承認されました。
 
アスピリンの鎮痛作用には成人で1日1~4グラムほどが必要ですが、抗血栓作用にはその10分の1程度しか必要ありません。
 
 
 

 

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